乗鞍の遅い春は、5月の連休から始まります。
雪解け水が大地を潤すと、草木の芽が一斉に大きくなってきます。鳥や虫たちも動きが活発になってきます。
強い日射しを撥ね返す、緑の葉っぱの力。日陰や木陰に、高原の涼しい風を招き入れます。
高原の秋の訪れは早いです。夕方には、虫たちが自分の存在を示すかのように、鳴き出します。赤や黄、茶色の葉が山肌を彩ります。
山肌が一面の茶色になる頃、ひっそりと静まりかえる野山では、人間も動物も冬支度に忙しく動き回ります。
しんしんと降り積もる雪。全ての音を消し去って、高原を閉ざしていきます。山肌では、スキーを楽しむ人たちの歓声が響き渡ります。